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【楽しい中国語入門】 vol.006

http://www.flsi.co.jp/zhongwen/

  
    
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6. 注意すべき漢字(その6)

 中国旅行の好きな皆さんの中には、こんな経験をした人もあるでしょう。

 寝台車に乗って、中国の東北平原を走ります。真冬の東北地方は気温がマイナス20度以下になっていて、すべてのものが凍りつくような感じがします。窓の外では、雪のため、辺り一面が真っ白になっています。まだ朝六時頃なのに、ほとんどの人はもう起きていて食事を始めています。熱い弁当から水蒸気が溢れて、心の奥までしみる暖かさと人々の生き生きとした様子を実感できます。

 ここで問題です。「列車」のことを中国語で何と言いますか?
 まず、中国語には日本語と同じように
という言葉があって、意味も同じになっています。しかし、中国で一番よく使う言い方は

ではなく、

です。(誰ですか?「ひのくるま」なんて読んでいる人は?) 「電車」が「電気(で駆動する)車」ですから
なら、「火(がついて駆動する)車」・・・っていったい何でしょう。
 昔の列車をよく知っている人でしたら、火の中に石炭を放り込んでいる情景を思い出すでしょうね。実は
は、もともとは蒸気機関車のことを意味します。日本語の「汽車」に相当する言葉です。(「汽」という漢字はもともと「蒸気」のことを意味します。)
 では、ここが今回もっとも重要なところなのですが、中国語には「汽車」と同じ漢字
があります。この漢字はどういう意味を表すでしょうか?
 実は、その意味は、汽車とはまったく違って、ただの「車」あるいは「自動車」を表します。この中の
という漢字は「ガソリン」をさしているようです。ガソリン(揮発油)のことを中国語で
といいます。ちなみに、ガソリンは簡単に気化してしまいますね。
 現在の中国の列車はすべて蒸気機関からディーゼル・エンジンに切り替えられていますが、それでも、やはり
という呼び方が愛用されています。路線の電気化も段段と整備されてきており、高速化と効率化を図った新幹線の計画もあるのですが、それでも、依然として
と呼ばれることが多いのです。というわけで、この漢字は火に関係無く「列車」の意味で使えます。
 ここで例文をあげておきましょう
は、「列車に乗って、北京へ行きます」という意味になります。
  日本では「電車」という概念が定着しています。中国語にも同じ漢字
がありますが、意味が異なり、トロリー・バスあるいは路面電車を意味します。例えば、東京から大阪まで来た人が「電車で来ました」という話をもし
をそのまま使って翻訳したら、
となりますが、中国人はおそらくその話を信じないと思います。というのは、中国人にとっては
はただ都市の内部を走るもので、遠くまでは行けないという先入観があり、日本のイメージとは異なるからです。

 以上、今回は「汽車」と「電車」が中国では日本と違う意味で使われること、および「列車」という意味で「火車」という漢字が使えることを学びました。

  それでは、今日はここまでとします。忙しい生活をしている皆さんも、時には飛行機を使わずに、中国の列車に乗りながら、中国の旅を存分に楽しんでみてください!
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