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                      2007年11月18日

    楽しいJava講座 - 初心者から達人へのパスポート
                  vol.079

                                セルゲイ・ランダウ
 バックナンバー: http://www.flsi.co.jp/Java_text/
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[このメールマガジンは、画面を最大化して見てください。]


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◆ 01.Tomcatのアプリケーション開発
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それでは、今回から、インターネット・ショッピングのWebアプ
リケーションのお話に入ります。

ここでいうインターネット・ショッピングとは、インターネット
を使って商品の紹介と注文の受付を行う通信販売のことですが、
主に電子商取引(Electronic Commerce = ECあるいはe-commerce
と略されることがある)のうちのB to C(Business to Consumer
= 業界用語で、企業から一般消費者へ販売する形態の商取引のこと)
の取引形態を指します。

B to B(Business to Business = 企業と企業の間の商取引)について
は、Webアプリケーションよりも、(後述する)Webサービス(SOAP
を使ったアプリケーション)を利用するほうが望ましいと考えられ
ますので、後ほどSOAPの説明をするときに取り上げます。


ここでは、インターネット・ショッピングのWebアプリケーション
として、商品の紹介(商品カタログのデータベースから商品を検索
して表示したり、カテゴリーごとに商品一覧を表示したりする)や、
特定の商品を選んでショッピング・カートに入れる機能、ショッピ
ング・カートから商品を取り出して注文する(レジに通す)機能を
組み込むお話、それらを安全に行うためのセキュリティー機能の
組み込みのお話などをしていきます。

ただし、ここでのWebアプリケーション開発のお話は、複雑なWebア
プリケーションを開発するときに必要な技術を一通り学ぶことが目的
であり、実用的なインターネット・ショッピングのシステムを開発
することが目的ではありません。ここで開発するWebアプリケーション
は、現実で使われているインターネット・ショッピングのシステム
にはほど遠いものです。

┌補足─────────────────────────┐
実際にインターネット・ショッピングを行うためには、商品の紹介
と注文だけでなく、決済(料金の支払いを済ませてもらうこと)を
管理すること、迅速に商品を用意して確実に配達するように配送を
管理すること、商品の在庫が少なくなってきたら適切な時点で商品
を仕入れ、在庫切れを起こさず、かつ、必要以上に商品を溜め込ま
ないように在庫を管理すること(在庫管理)、消費者の購入パター
ンを個別に記録・分析し、販売促進に役立てるなどのマーケティン
グのための情報管理など、さまざまな機能を盛り込んだ複雑なシス
テムが必要になります。また、アクセス数の多い、規模の大きなシ
ステムになってくると、パフォーマンス(処理性能)への考慮とし
て、複数のコンピューターで分散処理をしたり、同時並行処理をし
たりする機能の組み込みも必要になります。

なお、これらのシステムを開発する際に、従来から存在するシステ
ムも利用したい場合は、その既存システムを、新たに開発するシス
テムと連携させる仕組みが必要になりますが、これにはCORBA
(Common Object Request Broker Architecture = 同じコンピュー
ターもしくは互いにネットワークで隔てられた異なるコンピュー
ター上にある、異種の言語で書かれたオブジェクト同士がメッセー
ジ交換をできるようにした技術の標準仕様。Object Request Broker
(= ORBと略す)とは、オブジェクト間のメッセージを(異なる言語
で書かれていて、本来なら互いにメッセージ交換できないものを)
通訳して受け渡しを行う、仲介役的なソフトウエアである)を利用
することが有望視されてきました。
しかし、現在は状況が変わってきており、今後は、この役目はSOAP
に取って代わることでしょう。その理由については、後ほどSOAPの
お話をするときに詳しく説明いたします。
└───────────────────────────┘


なお、商品カタログなどのデータベースを構築するために使用する
RDBMSとしては、MySQLを採用することにします。
(以前はH2 Database Engineを使用しましたが、H2 Database Engine
はいまいち普及する動きが見えないため、採用しないことにします。
現在の最新のJDKにもRDBMSがオマケでついてきますが、これも同じ
理由で使用しないことにします。)



では、手始めにMySQLのインストールを行っておきましょう。

MySQLはMySQL ABというスウェーデンの会社が中心となって開発して
いるオープン・ソースのRDBMSで、無料版と有料版の2種類があります。
MySQL ABからサポート(技術支援やトラブル対処)を受けたい場合は
有料版を購入する必要がありますが、サポートの必要が無い人は
無料版をダウンロードして利用すれば事足ります。

MySQL ABのホームページは下記の通りです。

http://www.mysql.org/

(あるいは、日本語をご希望の方は下記をアクセス)

http://www-jp.mysql.com/


では、MySQLをダウンロードしましょう。
今回は、バージョン5.0を使用することにします。

(1) Webブラウザーで次のWebページを開いてください。

http://dev.mysql.com/downloads/mysql/5.0.html

(2) 下のほうにスクロールしていくと、「Windows downloads」と書か
れた項目がありますので、その項目下の「Windows ZIP/Setup.EXE (x86)」
の右の「Download」をクリックしてください。

(3) 「ファイルのダウンロード」ウインドウが表示されたら、
「保存」ボタンをクリックします。

(4) 「名前を付けて保存」ウインドウが表示されたら、「保存する場所」
(当メールマガジンでは「マイドキュメント」とします)と「ファイル名」
(当メールマガジン執筆時点では「mysql-5.0.45-win32.zip」になっている)
を確認し、「保存」ボタンをクリックします。
(保存が完了したら、ウインドウは閉じる。)

┌注意─────────────────────────┐
たまにエラー・メッセージも出ないままダウンロードに不具合が
発生していることがあります。この場合、解凍時やインストーラー
(インストールを行うソフトウエア)の起動時にエラーが出ます
ので、その場合はダウンロードからやり直してください。
└───────────────────────────┘

(5) 先ほど保存した場所(マイドキュメント)を開き、ファイル
(mysql-5.0.45-win32.zip)を解凍します。

(6) 解凍した場所にできたSetup.exeを起動します。

(7) 「MySQL Server 5.0 - Setup Wizard」ウインドウが表示され
たら、「Next」ボタンをクリックします。

(8) 「Typical」を選択(C:ドライブ以外にインストールしたい場合
など、Setup.exe標準と異なるインストールをしたい人は「Custom」
を選択)し、「Next」ボタンをクリックします。

(9) (上で「Custom」を選択した人は設定を変更(たとえば
「Change」ボタンをクリックしてインストールするドライブを
変更するなど)し、「Next」ボタンをクリックすると)
「Install」ボタンが現れますのでクリックします。

(10) インストール作業が行われますのでしばらく待ち、「Next」ボ
タンが現れたらクリックします。

(11) また、「Next」ボタンをクリックします。

(12) 「Configure the MySQL Server now」にチェック・マークが入っ
ている状態で「Finish」ボタンをクリックします。

(13) また、「Next」ボタンをクリックします。

(14) 「Standard Configuration」を選択し、「Next」ボタンをクリッ
クします。(ただし、MySQLのインストールが初めてであることが前提
です。)

(15) 「Install As Windows Service」にチェック・マークが入って
いることを確認し、「Service Name」は「MySQL」のままにし、
「Launch the MySQL Server automatically」にチェック・マークが
入っていることを確認して、「Next」ボタンをクリックします。

(16) 「Modify Security Settings」にチェック・マークが入っている
ことを確認し、「New root password:」と「Confirm:」にパスワード
(当メールマガジンではrootpassとする)を入力します
(「Confirm:」には確認用に同じパスワードを入力します)。

これは、MySQLのrootというデフォルトのユーザーにパスワードを指定
するものです。
今回は学習用のデータベースですから、わかりやすいパスワードにして
いますが、本来はパスワードは(他人にとって)推測しにくいものに
すべきです。

その後、「Next」ボタンをクリックします。

(17) 「Excecute」ボタンをクリックします。
(このとき、もしパソコンにファイアウォールをかけていて、3306番の
ポートが閉じられているとエラー・メッセージが表示されてしまいます
ので、3306番のポートを開けるようにファイアウォールの設定を変更し
た後、「Retry」ボタンをクリックします。)

(18) 「Finish」ボタンをクリックします。


以上でMySQLのインストールは完了です。

さきほどのmysql-5.0.45-win32.zipファイルやSetup.exeファイルは
もう必要ありませんので、邪魔ならば削除しておきましょう。


なお、MySQLのRDBMSは先ほどの(15)の設定によって、パソコンの起動時
に自動的に起動されるようになっていますので、自分で起動する必要は
ありません。


今回はここまでにします。
何か、わからないところがありましたら、下記のWebページまで質問を
お寄せください。


(続く)




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