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                      2008年12月14日

    楽しいJava講座 - 初心者から達人へのパスポート
                  vol.131

                                セルゲイ・ランダウ
 バックナンバー: http://www.flsi.co.jp/Java_text/
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◆ 01.SOAPのアプリケーション(Webサービス)
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では、今回はAntについてお話しましょう。

Antは簡単に言うと、ソフトウェアの構築作業(たとえば、ソース・コードを
コンパイルしてからJARファイルを作成する、といった作業)を自動化するため
のツールです。

UNIXなどでCやC++でプログラミングしたことのある人なら、makeファイルというもの
を使ったことがあるでしょう。Antは、このmakeファイルと同様の機能をJavaで作成
したものです。

Javaで作られているのですから、Javaが稼動するプラットフォーム(OS)であれば
どこでも使用できます。
したがって、例えばPCのEclipseで開発したAxisのアプリケーションをUNIXや他のOS
の大型コンピューターにデプロイするといった作業も、Antを使えば簡単に行えます。

AntもやはりApacheソフトウエア・ファウンデーションによって作られたオープン・
ソースなので無料でダウンロードして使用することができます。

AntはEclipseにも組み込まれていますが、Eclipseとは独立してAntを単独で動かす
方法も知っていなければなりませんので、まず最初にAntを単独でインストールして
動かす方法を学んでおきましょう。EclipseでのAntの使い方は、また後で説明します。


というわけで、さっそくApacheのホームページからAntをダウンロードしましょう。

(1) Webブラウザーを起動して、下記のURLを入力して下さい。

http://archive.apache.org/dist/ant/binaries/apache-ant-1.6.5-bin.zip

(AntのバージョンはEclipseに組み込まれているものと同じにしています。)

(2) あとは、いつものように操作して、ファイル(apache-ant-1.6.5-bin.zip)をどこか
(マイドキュメントなど)に保存してください。

(3) 保存したファイル(apache-ant-1.6.5-bin.zip)を解凍して下さい。

(4) C:ドライブの直下にantというフォルダーを作成し、(3)で解凍されてできた
apache-ant-1.6.5フォルダーの中身(binフォルダーなど)をantフォルダーの中に
丸ごとコピーして下さい。
つまり、

C:\ant

というフォルダーの配下に

bin
docs
etc
lib

といったフォルダーが入っている状態にします。


続いて、以下の手順で、このフォルダーを環境変数に登録しておきましょう。

(1) vol.070でJAVA_HOME変数を設定したのと同様にして、ANT_HOMEという
環境変数を設定しますが、このとき、

「変数名」にはANT_HOMEと入力し、
「変数値」には、Antのフォルダー名(C:\ant)を入力します。

(2) vol.070と同様にしてPATH変数を設定しますが、このとき、「変数値」の先頭に以下の
内容を入力します。

%ANT_HOME%\bin;


環境変数の設定が終わったら、Windowsを再起動しておきましょう。

以上で、Antのインストール作業は終わりです。


では、Antがちゃんと作動することを確認するために、以下の操作を行ってみてください。

(1) C:ドライブ直下にant_workというフォルダーを作成して、その中に次のような
内容のテキスト・ファイルを作成し、build.xmlというファイル名で保存してください。

--------------------------------------------------------
<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS" ?>
<project name="test" default="message1">
  <target name="message1">
    <echo message="Install OK!" />
</target>
</project>
--------------------------------------------------------

コマンド・プロンプトを開き、ant_workをカレント・ディレクトリーにして
(つまり、
C:
cd  \ant_work
を実行して)から、

ant

というコマンドを実行してみてください。
次のような結果が返ってきたら、インストールは正常に完了しています。

--------------------------------------------------------
Buildfile: build.xml

message1:
     [echo] Install OK!

BUILD SUCCESSFUL
Total time: 0 seconds
--------------------------------------------------------

ただし、Total time: 0 secondsの数値は、パソコンの性能や状況によって異なります。


さて、このbuild.xmlは、ソフトウェアの構築手順を記述するためのファイルで、
デフォルトのファイル名はbuild.xmlですが、他のファイル名にすることもできます。
その場合は、antコマンドの引数としてファイル名を指定する必要があります。

build.xmlというファイル名で作成しておいた場合は、先ほどantコマンドを実行した
ときのように、ファイル名を指定せずにantコマンドを実行することができます。


上記のbuild.xmlファイルでは、ソフトウェアの構築は行わずに、メッセージを書き出す
だけにしていましたが、本来のbuild.xmlファイルではソフトウェアの構築手順を記述します。

これから、その書き方を学んでいきましょう。

最初に、Webサービスのデプロイを例に取って説明していくことにします。
この場合、プラットフォーム(Windows、UNIX、Linuxなど)に依存する部分が出てきます
から、その部分は別のファイルにして、プラットフォームごとに振り分けることにします。

まずは、Windows環境での説明をして、そのあと、Linux環境(UNIX環境も同じ)での
説明をしていきます。



(次回に続く)


では、今日はここまでにします。

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