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                      2009年08月09日

    Java総合講座 - 初心者から達人へのパスポート
                  vol.165

                                セルゲイ・ランダウ
 バックナンバー: http://www.flsi.co.jp/Java_text/
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◆ 01.SOAPのアプリケーション(Webサービス)
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前回紹介した「Linuxサーバー構築標準教科書」には、DVDを使ったインストール
しか書かれていないようなので、CDを使ったインストールについて少し補足して
おきます。(中古のPCだと、CD-ROMドライブしかない場合も多いでしょうから。)


CD-ROMドライブからインストールするためには、次のようにしてISOイメージ・
ファイルをダウンロード(無料)しておいて、それらからCD-Rに焼いてから
インストール作業を行います。


まず、

http://isoredirect.centos.org/centos/5/isos/i386/

を開いてください。
ここにはミラー・サイトがリストされていますが、その中のたとえば

http://ftp.riken.jp/Linux/centos/5.3/isos/i386/

などを選ぶといいでしょう。(riken.jpは理化学研究所のドメインです。)

ここから、ISOイメージ・ファイル(拡張子が.isoになっているファイル)をダウン
ロードします。ただし、ファイル名にDVDが含まれるものはDVD用なので除外します。
また、ファイル名にnetinstallが含まれるものはネットワーク(インターネット)経由
のインストール用なのでこれも除外します。

ISOイメージ・ファイルというのは、一枚のCD-ROMの中身のイメージを一つのファイル
に変換したもので、標準化の国際機構であるISOの9660という標準形式に従っている
ためISOイメージ・ファイルというふうに呼ばれることがあります(これはCD-ROMだけ
でなくDVD-ROMにも利用されています)。あるいはCDのイメージ・ファイル(同様に
DVDのイメージ・ファイルもある)というふうに呼ばれることもあります。(CDやDVDの
ことをまとめてディスクと表現することもあります。)

このファイルからCD-Rに焼き付ける(書き込む)ためには、まずCD-Rへの書き込み
ができるドライブの付いたPCを使う必要がありますが、さらにはそのPCでドライブに
書き込みを行うソフトに「CD-Rにイメージを書き込む」機能が含まれている必要が
あります。
(ソフトによって表現がまちまちですが、「ハードディスクに保存されているイメー
ジ・ファイルからディスクを作成する」というような表現がされている機能です。
ここで言うディスクとは、CD-R,CD-RWやDVD-R,DVD-RWを意味しますが、広範囲のPCに
インストールできるようにするためにはCD-Rを使用することが望ましいです。)

なお、CD-Rには容量が650MBのものと700MBのものがありますが、ISOイメージ・ファイル
のサイズに合わせて用意する必要があります(よく分からない場合は、すべて大きいほう
(700MB)を用意してもよい)。また、ISOイメージ・ファイルの数だけCD-Rを複数枚用意
しておく必要があります。

用意ができたら、CD-Rにイメージ・ファイルを焼き付けてください。


あとは、「Linuxサーバー構築標準教科書」に書かれているのと同様にしてインストール
が行えます。(DVDと違ってCDは複数枚ありますが、最初に
CentOS-5.3-i386-bin-1of6.iso
のCDをセットしてからPCを起動します。DVDと違って、ときどきCDの差し替えが必要に
なりますが、CDの差し替えが必要なときには画面が指示してくれるので分かります。)



それから前回は説明が不十分でしたが、Linuxの使用方法(操作方法)については、

http://www.lpi.or.jp/linuxservertext/

の上のほうにある「Linux標準教科書もあります!」というオレンジ色のボタンから
「Linux標準教科書」の(無料)ダウンロードのWebページに進めますので、これを
利用するとよいでしょう。



ところで、LinuxのPCを用意したついでに、この機会に学んでおくとよいソフトウエア
が(Java以外に)いくつかありますので、お話しておきましょう。


まず一つは、「バージョン管理システム」です。

通常の企業のソフトウエア開発では、複数の開発者がお互いに関連するプログラム(ク
ラスなど)を同時に開発していきますが、この場合、各プログラム・ファイルを複数の
開発要員が参照できるように共有の場(以後リポジトリーと呼ぶ)に保管しておく必要が
あります。
また、テストの結果、判明したバグを修正したり、何らかの理由で機能追加や変更があっ
た場合、それらを反映した修正版をリポジトリーに保管するとともに、それが「いつ誰が
何を修正したものであるか」が分かるようにしておく必要があります。前の版に対して、
どの部分がどう修正されたのかが容易に分かるようにしておく必要があります。
特にテスト期間中は頻繁に多量の修正が加えられる可能性があるため、ここらへんの情報
をしっかりと管理しておかなければ、段々と訳がわからなくなってきて、たとえば「あの
ときこの機能を変更したのは間違いだったことがわかったから、その部分を元に戻して
欲しい」と言われても、それがどの部分でどうすれば元に戻せるのか、ということを調べ
るのに苦労するということになります。あるいは「このバグは修正されているはずなの
に再テストすると同じ問題が再発する。本当に修正したのか?あるいは修正したものを
リポジトリーにちゃんと登録したのか?」といった問題が発生することになります。
また、複数の人が同時に同じプログラムの同じコードに互いに異なる修正を加えたりする
とまずいですから、そういう互いの干渉をチェックする必要もあります。
あるいは、同じプログラムの修正の担当者が途中から変わる場合は、引継ぎ者が確実に
最新版のプログラムを受け取れるように(間違って古い版を受け取ったりしないように)、
リポジトリー内のどれが最新版(現行版)か、が確実に分かるようにしておく必要があり
ます。

したがって、

(1) プログラム・ファイルなどのリポジトリーを提供する。
(2) リポジトリーに修正版(最新版)を登録したときに、以前の版(古い版)も残して
おき、必要なときにはいつでも古い版を現行版として復元できるようにしておく。
(3) 修正版が以前の版に対して、どこがどう修正されたのか容易に分かるようにしておく。
(4) 各修正版がリポジトリーに登録された日時、登録者(修正者)、修正理由(コメント)
も同時に記録されるようにしておく。
(5) 自分が修正したファイルをリポジトリーに登録済みか、あるいは未登録か、が容易に
分かるようにしておく。
(6) 複数の開発要員が互いに同じファイルに編集を加えた場合に、お互いの干渉をチェッ
クし、お互いが重複して同じコードを編集したりしないように管理する。
(7) リポジトリーに登録された各ファイルの履歴を管理し、どれが現行版か容易に分かる
ようにする。

といった機能を提供するシステムが欲されてきました。
これを実現したのがバージョン管理システムです。

バージョン管理システムにはいくつかの製品(無料のものも含める)がありますが、
その中で現在一番人気があるのはCVS(Concurrent Versions Systemの略)でしょう。
CVSにはサーバー(リポジトリーを保持する側)とクライアントがありますが、Eclipse
にもCVSのクライアント機能がはいっています。

CVSはオープン・ソースで無料で利用できますが、無料でもバージョン管理システムと
しては最上級の機能を持っています。
しかしながら、最近ではSubversionという、さらに上級の機能を持つバージョン管理
システムが登場し、このクライアント機能もEclipseで使用できるようになっています。
今後はこのSubversionが段々とバージョン管理システムの主流になっていくだろうと
思われます。

ただし、クライアントの普通の使い方はCVSもSubversionもほとんど同じなので、さし
あたってはCVSの使い方だけでも学んでおけば大丈夫でしょう。という訳で、次回は
CVSのインストールから使い方まで説明しておきたいと思います。
これだけでも、現在のほとんどの開発現場で通用すると思いますが、Subversionについ
ても、もっと後でお話しすることにしましょう。


(次回に続く)


では、今日はここまでにします。



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