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                         2005/04/21
         自主学習のコツ Vol.003
                        薮荷筒丸
    バックナンバー: http://www.flsi.co.jp/gakushu/
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2.学習意欲を高めるために
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ベル研究所は、もともと電話の発明者グラハム・ベルゆかり
の電話会社の研究所で、電話関連の研究をしていた所でした。
現在はさまざまな最先端の科学技術を研究しており、ノーベル
賞受賞者を多数輩出したことでも有名です。・・・と書くと、
優秀な研究者ばかりがそろっていると思うかもしれません。し
かし、このような研究所でもやはり優秀な業績をたくさん残す
研究者もいれば、平凡な業績しか残さない研究者もいます。

この研究所で、優秀だと言われている研究者と平凡な研究者と
の間にどのような違いがあるのかが調査されました。


その結果、知能指数(IQ)の高さについては両者の間に差が見られ
ないことがわかりました。平均すると両者とも同じようなばら
つきを示します。

決定的に一番違いが見られたのは、人間関係に関する能力でした。
これは、他の優秀な人たちと良好な人間関係を作り上げ(要するに
仲良くなり)、困ったときにはいつでも助け合うという能力です。
優秀だといわれている研究者はこの能力が特に優れていたのです。

たとえどんなに優秀な人でも、万能というわけにはいきません。
どんなに優秀な人でも得意分野もあれば不得意分野もあるのです。
難しい問題や自分の不得意分野にからんでくる問題にぶつかった時
には、その分野を得意とする他の人たちに協力してもらうことが
効率的です。この協力してくれる人たちというのは同じ職場の人たち
とは限りません。職場内の人もいれば、職場外の人たちもいます。
このような強力な人のネットワーク(人脈)を作り上げる能力を
持っている人は、自分の能力以上の仕事をこなすことができるの
です。

このような人間関係を作れる能力の要素には、人柄のよさや人格
が含まれます。もちろんIQには依存しません。学歴にも関係ない
ことが知られています。(この人間関係は日本の学閥とは関係あり
ません。)


もう一つの目立った違いとして、自発性(自主性)があげられます。
つまり、人に指図されたり、人に追随して行動するのではなく、自分
から率先して行動しようとする意欲です。優秀だと言われている研究
者は自主性が強く、仕事として与えられていないことまで自発的にや
ろうとする傾向が強いようでした。

そもそも人間はロボットではありません。命令されて行動するのでは
なく、自分の意志で行動したいと考えるのが人間の自然な姿です。

これに反して、世の中の教育者には、まるで生徒をロボット化しよ
うとしているかのような者がいます。ロボットはロボットで役に立
つかも知れませんが、優秀な人材を育成したいのであれば、人をロ
ボット化しようとする考え方は改め、生徒の自主性を守り育てるよ
うに努力するべきだと思います。


私は学生時代、家庭教師のアルバイトをしていましたが、生徒のうち
の一人に中学3年生がいました。仮にAちゃんと呼ぶことにします。
Aちゃんは、(そのお母さんから聞いたところでは)中学校の先生か
ら問題児として扱われていたようでした。本人から直接話を聞いたと
ころでは、学校の担任の先生に反感を感じ、たびたび先生と言い争い
をしていたようです。さらに困ったことには言い争いをするたびに先
生にたたかれていたようで、そのたびにさらに反感を増していたよう
です。

Aちゃんとよく話をしてみたところ、Aちゃんは本当は問題児ではあ
りませんでした。Aちゃんは、自我が発達していたために、学校の厳
しい規則や先生の命令口調に強く反発していたようでした。私はAち
ゃんの主張がきわめて論理的でしっかりしていることに感心しました。
学校の先生はおそらく口論では歯が立たないために手を出したのでは
ないかと思います。ましてや体罰は法律で禁止されています。本人の
意思を尊重せず、体罰で従わせようとするのでは、反発をくらって
当然だと思います。でもこの先生は、他の親たちからは、教育熱心な
いい先生として評価されていたそうです。

私はAちゃんに全面的に味方をしました。もう随分昔になりますので、
具体的にどんなことを話したのかはよく覚えていませんが、いろんな
話を聞いて、こちらもいろんな話をしました。Aちゃんの考え方に間
違ったところがあると感じたときには、ちゃんと理由を説明して間違
いを正しましたが、論理的に説明するとちゃんと聞き入れてくれます。
それに、めったに間違った考え方はしていない、と感じました。まだ
中学生なのにしっかりした考え方をしている、といつも感心していま
した。

もちろん、私は家庭教師という役割でしたが、あまり教科を教えた記憶
はありません。ほとんどAちゃんが自主的に勉強し、自分で買ってき
た問題集を自分で解いていました。そして、自分でわからない所だけ
を私に聞いてきました。したがって私がしたことは、質問に答えたり、
アドバイスしたりすることだけでした。

Aちゃんは、「将来こういう仕事をしたい。だからどうしてもこの
高校に入りたい」と、将来の具体的な目標と具体的な高校の名前を
あげていました。その志望高校は、担任の先生から「おまえがどんな
に勉強しても合格できるような高校ではない。絶対に無理だからあき
らめろ」と言われていた高校でした。でもAちゃんの意志にはとても
強いものを感じました。私は、Aちゃんの意志に強く賛同し、励まし
ました。

Aちゃんの成績は、その後、信じられないほど向上しました。そして、
希望した高校にも合格しました。

Aちゃんが中学を卒業した後でそのお母さんに聞いたところ、担任
の先生から「お宅のお子さんは、信じられないほど成績も伸びたし、
性格もよくなりました」と言われたそうです。
しかし私には、問題だったのはこの先生の方だと思えるのです。

私がこの話を書いたのは、けっして学校の先生を批判するためではあ
りません。学校の教師が忙しくて大変なのはよく知っているつもりで
す。一度にたくさんの多彩な性格の生徒たちを指導するのも大変だと
思います。しかも、夜遅くまで仕事をしても残業代さえつきません。
多くの教師は自分を犠牲にしてまで、生徒のことを考え、真に生徒を
育てたいと言う気持ちで職務についていると思います。しかし残念な
がら、一部には好ましくない教師もいるように感じるのです。


Aちゃんはすばらしい素質を持っていたと思います。何よりも自主性
があり、しっかりと自分で論理的に考える頭を持っていました。


Aちゃんのもう一つの優れていたところは、明確な目標や目的意識を
持っていたことです。

Aちゃんが明確な目的を持っていて、そのためにも絶対にこの高校に
入るんだという強い信念を持っていたことは、成績が大きく向上した
一つの要因になったと思います。


学習意欲を高めるためのコツの一つは、明確な目的意識を持ち、具体
的な目標を持つこと、そして、それを常に自分に強く言い聞かせて、
信念とすることです。自分に何度も強く言い聞かせていると、それが
潜在意識に染み込んでいきます。(声に出す必要はありません。心の
中で言い聞かせればいいのです。)そして、それが無意識のうちに、
目的を達成するための行動のエネルギー源となるのです。


        *** 続く ***



私がこのベル研究所で行われた調査結果のレポートを見つけたのは、
もう10年くらい前のことだと思います。ハーバード・ビジネス・レ
ビューの中に、このレポートを見つけました。ハーバード・ビジネ
ス・レビューは、もともとはハーバード大学(http://www.harvard.edu/)の
ビジネス・スクールが発行している雑誌ですが、日本ではダイヤモンド社
(http://www.diamond.co.jp/)が日本語版(http://www.dhbr.net/)を
発行しています。

ちなみに、このレポートの中では「上司は部下をあまり正しく評価
していない」というような話もあげられていました。
誰ですか、その話だけ納得できるなんていう人は?


実は、私はこの資料を紛失してしまっていて、家の中を探しまくっ
たのですが見つかりませんでした。したがって、ここに書いたこと
にはひょっとしたら私の記憶違いが含まれているかもしれません。

しかし、さいわい一部については、「EQ こころの知能指数」という
本の中でも紹介されていますので、正確なことはこちらの本を参照し
てみて下さい。

「EQ こころの知能指数」
http://www.flsi.co.jp/books/eq1.htm

米国の心理学者によって書かれたこの本では、本当に優秀な人間を
作り上げていくのはIQよりも、こころの知能(情緒的知能:Emotional
Intelligence、日本では通常EQと呼んでいる)であることを、実例を
たくさん紹介しながら説明しています。この本は米国で長年ベストセ
ラーを続けたし、TIME誌でも特集が組まれるなど注目を浴びました。
日本でもベストセラーになりましたので、皆さんの中にも読んだ人が
たくさんいると思いますが、まだ読んでいない方には是非一読をお勧
めします。一度と言わず、何度でも読み返して欲しい本です。



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*.雑談コーナー
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ロボット化といえば、日本はロボットの開発製造において世界
をリードしているようですが、米国では人のロボット化で世界
をリードしているようです???

パウエル前国務長官はもともと穏健派として知られていました。
彼は軍人時代、いつも部下を大切にし、部下のことを案じ、部下
の失敗に対して部下を責めず自分が代わりに責任を取るなど、
とても人間的な行動をしていました。戦争を極力避けようとし、
湾岸戦争になったときも、何よりも部下の安全を第一にし、徹底
的に安全性を追求した作戦を練りました。部下だけでなく一般に
人を愛し、仕事でやむをえないことを除いては、あくまで平和を
望んでいたようです。

ブッシュ大統領が、「イラクは大量破壊兵器を保持している」と
いうウソの証拠を作ってイラク戦争をしようとした時も、パウエル
は最初猛烈に戦争に反対していました。しかし、ある日、ブッシュ
大統領から「おまえは、大統領である私の命令を聞くのか?聞かな
いのか?いったいどっちなんだ?」と怒鳴りつけられました。
つまり大統領からロボットになることを要求されたのです。

パウエルは「大統領の命令に従います」と答え、それ以来ロボット
になってしまいました。パウエルは「イラクが大量破壊兵器を保持
している」というウソの証拠を国連で提示しました。ブッシュ大統
領はイラク戦争に踏み込みました。

ご存知のように実際には大量破壊兵器は見つからず、ブッシュは
「フセイン大統領が人権侵害をしている悪党だから、こいつを倒す
ために戦争をしたんだ」と、いつのまにやら戦争の理由をすり替え
てしまいました。

しかし、この戦争でたくさんの罪の無い一般庶民が殺されました。
米国や日本ではそのような報道はほとんどありませんでしたが、
中東の放送では連日そのような報道があったようです。
(報道内容も国によって大きなバイアスがかかっています。)

パウエルは二度と国務長官にはならないと決心し、ブッシュ大統領
の再選のおりには国務長官を辞任しました。

現在は、ライスが国務長官をしていますが、こちらの方は以前から
ブッシュのロボットとして振舞っているようです。

しかし、ブッシュ自体も誰かのロボットなのかも知れません。

ロボットを操縦している人はいったい誰なんでしょうか。そもそも
イラク戦争は何のために行われたのでしょうか。また、いったい
どうして世界中に紛争が絶えないのでしょうか。

世の中には世界中で紛争の種を工作し、紛争が起こることによって
利益を得る人々がいる、というウワサもあります。しかも、CIAなど
のスパイを使って工作が行われると、証拠がきれいに消されてしま
って事実確認ができないというわけです。

軍需産業の経営者層、国防総省やCIAの上層部、政治家などの間の
要人の行き来が日本の天下り問題以上に活発で、しかも、GNPに占
める軍需産業の比重が大きい米国のことを考えると、このウワサも
真に迫るものがあります。

CIAには超エリートばかりが集まっていると言われていますが、
「大量破壊兵器の証拠」はCIAの工作としては間が抜けているよう
に感じられます。CIAの工作ではなく、ブッシュの工作の証拠だと
すると納得がいきます。


少なくとも世の中には紛争が絶えません。そして、その中で殺され
たり傷ついたりしていく多くの人々の悲しみや無念さを多くの人たち
が感じ取っていると思います。しかし、これらの人々の悲しみや無念
さを何とも思わない人々も(決して多くはないと思いますが)存在
するようです。

気になる人は、以下の本を読んでみるといいかも知れません。ただし、
どこまでが真実かはわかりません。著者の広瀬隆さん自身が言ってい
るように、自分で直接事実を調べて真実を確かめようとする姿勢が
必要です。(自分で事実を調べることは困難ですが。)

「一本の鎖」地球の運命を握る者たち
http://www.flsi.co.jp/books/ipponkusari1.htm

余裕のある人は以下の本もどうぞ。
ただし、かなり分厚い本なので忙しい人には勧められません。
「赤い楯―ロスチャイルドの謎〈上〉」
http://www.flsi.co.jp/books/akaitatejo.htm

「赤い楯―ロスチャイルドの謎〈下〉」
http://www.flsi.co.jp/books/akaitatege.htm

文庫版もあります。
「赤い楯―ロスチャイルドの謎〈1〉」
http://www.flsi.co.jp/books/akaitate1.htm

「赤い楯―ロスチャイルドの謎〈2〉」
http://www.flsi.co.jp/books/akaitate2.htm

「赤い楯―ロスチャイルドの謎〈3〉」
http://www.flsi.co.jp/books/akaitate3.htm

「赤い楯―ロスチャイルドの謎〈4〉」
http://www.flsi.co.jp/books/akaitate4.htm



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