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                         2005/10/14
         自主学習のコツ Vol.008
                        薮荷筒丸

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3.頭をよくする方法
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しかも、この計算や読書に関しては、本人が好きか嫌いかには関係
なく、やれば確実に頭が鍛えられる(前頭前野が活性化され、頭脳
の働きがよくなる)ことがわかっているのです。

普通なら、嫌いなことをやるよりも好きなことをやるほうが成績も
ずっとよくなりますから、意外に思うかも知れませんが、このこと
は科学的に実証されたことなのです。


なお、読書について特記しておくべきことは、読んでいる本は必ず
しも意味が理解できていなくても、前頭前野を鍛えられるというこ
とです。

意味がわかってもわからなくてもいいのですから、大人向けの難し
い本を小学生に音読させてもかまわないのです。
ただし、その場合、漢字が読めないと困りますから、ふりがなをふ
っておく必要があるでしょう。


ところで、子供の前頭前野の発達の仕方を見ると、まず急激に発達
するのは3歳までの幼児期です。
これは、言葉を急速に覚えていくことと関係していると考えられま
す。

もう一つ、小学生の5〜6年生頃に再度急激な発達をします。この
頃に前頭前野の働きがほぼ大人と同じになると考えられます。

その後の発達は非常にゆるやかになります。しかし、まったく発達
しないわけではなく、鍛えればやはり発達します。

ここで注意すべきことは、小学生から中学生になる頃に前頭前野の
働きがかなり変わってくるということです。
したがって、小学生に適した勉強の仕方と中学生以上に適した勉強
の仕方は同じではなく、違ってくるということです。

例えば、小学生の時(特に4年生頃まで)は、考える力が未熟です
が、その代わりに知識を抵抗なくすんなりと吸収する能力は旺盛で
す。つまり自分で考えることよりも丸暗記のほうが得意です。
したがって、丸暗記方式で、計算の仕方を教えたり、漢字を覚えさ
せたりしてもかまわないのです。ただし、一回で覚えてしまうわけ
ではなく、何度も何度も繰り返し練習する反復学習は必要です。

そして、この反復学習が前頭前野を発達させるために大きく貢献し
ていたのです。

中学生以上になれば、今度は、丸暗記は不得意になってきて、きちん
と理屈を理解させる教育が重要になってきます。

ところが、「ゆとり教育」によって、小学校でも考える力をつける
ことが強調され、その反面、計算や漢字の反復学習がおろそかにな
りました。その結果、一番大事な小学生の時代に前頭前野があまり
鍛えられなくなり、日本人の平均的な学力が大幅に下がってしまっ
た、ということも考えられます。


近年、100マス計算や朝の読書タイム等で基礎学力をつける小学校
が注目を浴び、その効果がマスコミでも報道されましたが、これは
前頭前野の研究成果によっても裏付けられたことになります。

また、前頭前野は感情をコントロールする働きもしますので、これ
らの学校で校内の荒れが改善されたという話も前頭前野が鍛えられ
たせいなのかも知れません。


前頭前野は脳の中でも人間だけが特に発達している部分で、人間の
高度な思考能力の中心になっている部分なのですが、これらのこと
がわかって来たのは、実はつい最近になってからのことなのです。

以前は前頭前野の働きは、ほとんど調べられていませんでした。
というよりも、調べることが困難だったのです。

しかし、近年になって、解剖せずに人の脳の中を調べる高度な技術
が発展したことにより、脳の働きを調べることが容易になってきた
のです。


        *** 続く ***




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