広告

    

【楽しい中国語入門】 vol.011

登録/解除/バックナンバーは http://www.flsi.co.jp/zhongwen/

  
    
音声を聞くには、中国語文字(赤色)をクリックして下さい。


11. 手紙

 手紙は昔からの伝統的な遠距離情報交換の手段として、現在でも依然として多くの人に利用されています。では、中国語では
ショウヂー
と書いたら、どういう意味になるでしょうか?実はトイレットペーパーの意味になります。日本語の意味とぜんぜん違いますね。使うときによく注意しないと大変な笑い話になってしまいます。
 では、日本語の手紙のことを中国語では何と言うでしょうか?
  答えは、
シン
あるいは
シューシン
です。日本語には「信書」という言葉もありますが、ちょうど中国語と文字の順番が逆転しています。このように、なぜか中国語と日本語で文字の順番が逆転している単語が結構あります。
  「手紙を書く」は
シエシン
といいます。
シエ
は、「書く」という意味です。これも日本語と意味が違いますのでご注意ください。
 また、「手紙を読む」は
カンシン
といいます。という漢字は以前にも出てきましたが、覚えていらっしゃいますでしょうか?えっ?もう完璧に覚えましたって?カンシン、カンシン(感心、感心)!
 それから、手紙を書くときに使う「便箋(びんせん)」と「封筒」はそれぞれ中国語では
シンヂー
シンフォン
といいます。
 郵便ポストは
シントン
と言います。日本でも昔は筒形をしたポストが使われていたそうですから、少し年配の人なら、ポストを意味することが納得できると思います。若い人は筒形のポストなんか見たことないかも知れませんが、その場合は、信筒には中国語の「」と日本語の「封」の二つの文字が組み合わされているので、たくさんの封筒を入れるポストを意味するというふうに覚えれば、簡単に覚えられるでしょう。
 中国語では手紙に関する単語はほとんど「
」で始まるし、また、後ろに付く漢字を見て意味がわかるので、覚えやすいと思います。

 次は用紙について、中国の各地方の言い方の違いを紹介したいと思います。
  私は中国の東北地方の出身ですが、現在は日本に留学して東工大で勉強しています。東工大は留学生が多いので、いろいろな国の人と知り合えるし、さらには自分の国(中国)のいろいろな地方の友達とも知り合えます。中国では、地方によって単語の言い方が微妙に違うのですが、それはいろいろな地方の友達と一緒に勉強して初めてわかってきたことでした。


注: 中国にはいろいろな方言があることが知られていますが、これらは、互いに話をしても全然通じないほど異なる言語です(ただし、漢字で書き記すとほとんど同じになります)。しかし、現代では中国のどの地方の人でもほとんどの人が普通話(北京語をベースにした共通語)を話せるようになっており、お互いに普通話で会話することができます。上で述べた「地方によって単語の言い方が微妙に違う」という表現は、普通話で話す場合でも地方により違いがあるという意味です。なお、普通話はもともとは北方の言語であり、ハルピンを中心とした北方の発音が標準とされています。南方の人たちなどが話す場合は(例えば、そり舌音が発音されないなど)発音が訛る傾向があります。中国の中心的な国際都市とも言える上海の人たちでさえそうです。しかし、それでも北方の人たちとちゃんと会話が通じますので、こういった発音の違いは問題ではありません。ここで紹介したいことは発音よりももっと重要な、注意すべき違いについてです。なお、発音については、後々の機会に詳しく説明する予定です。

 たとえば、原稿用紙を中国語では
ガオヂー
と言い、計算用紙は
ツァオヂー
と言います。しかし、南方の人たちは「稿紙」と言ったら、計算用紙を意味し、意味がちょっと違います。また、「草紙」と言ったら、トイレットペーパーの意味になります。この違いは大きいですね。 中国の大学に通っている私のクラスメートから次のような笑い話を聞きました。
  大学で、ある東北地方出身の男子学生が、ある上海出身の女子学生に計算用紙を借りたくて、
ニヨウツァオヂーマ
日本語訳: 計算用紙ある?(あなたは計算用紙を持っていますか?)
解説:は「あなた」の意味の代詞(代名詞のこと)、は「持っている、有る」を意味する動詞、は「・・・か?」という疑問を表す助詞です。中国語の文法は、ヨーロッパ諸国の言語に比べると随分簡単です。主語の人称や数によって動詞が変化することもなく、代名詞が目的格などになることによって変化するということもありませんので、一つの文例を覚えれば、単純に単語を入れ替えるだけで簡単に応用できます。しかも、漢字単語は日本人の得意とするところです。ただし、日本人にとっては発音が難点です。中国語を話せるようになりたい人は、当メールマガジンなどに吹き込まれている音声を、耳にたこができるくらい何度も繰り返し聞いてから、発音をそのまま忠実に真似るようにしましょう。特に声調(音の高低の変化)を間違える人が多いですが、中国語では声調はとても重要ですので、十分注意して覚えて下さい。

と聞いたところ、その女子学生はすぐに顔が赤くなりました。
ニヨウショウヂーマ
という意味だと思ったからです。こんなことをあまり親しくない異性に聞かれると、結構恥ずかしく感じるものです。
 他にも地方によっていろいろと言い方の違いがあります。いろいろな地方の人が混ざった大学で勉強すると、だんだん言い方の違いがわかってくるので、面白いものです。これからも、少しずつ紹介していきたいと思います。

 それでは、今日はここまでにしましょう。
Copyright (C) 2002 Future Lifestyle Inc.