下記文章中、赤色の漢字は中国語です。ピンインをクリックすると音声を聞くことができます。 |
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41. | 難しい発音(その2) | |
さて日本人にとって、発声するのが難しい発音の代表格は無気音でしょう。この発音は日本人にとっては相当難しいようです。 有気音はできるだけ息を吐きながら発音し、無気音はできるだけ息を吐かずに発音すると書いている本が多いようですね。そして練習方法としては、ティッシュペーパーを口の前にぶら下げて、有気音のときはティッシュペーパーがたなびいて、無気音のときにはたなびかないようにする・・・・と書いてあったりします。 これは間違いとは言えないけれど、ちょっと説明不足です。 上の説明を読んでもらって、日本人に発音してもらうと、有気音は大きな声で発音できるのに、無気音は小さな声でしか発音できなかったりします。しかし、中国人は無気音も大きな声で発音できるのです。 なぜ大きな声で発音できるかと言うと、実は、無気音は息があまり出ない代わりに、一瞬エネルギーを溜めてそれが炸裂するかのように声を出して発音するのです。何か風船のようなものが破裂するようなイメージで瞬間的に強い声が出るのですが、風船と違ってあまり空気は出ません。感覚的には息を止めているようなイメージで、声だけが出ます。(ただし、声が出ているからには、実際には息も少し出ます。) この説明では、わかりにくいと思いますが、ご安心ください。実は、日本人は日常、この発音を使っているのです。 実は、日本語の いっぱん[ippan](一般) のpaは無気音のbaで ほったん[hottan](発端) のtaは無気音のdaで いっかん[ikkan](一貫) のkaは無気音のga になっているのです。(ただし、息を吐かないように注意する。) ようするに、促音に続く音、つまり、いったん詰まった状態から発する音が無気音に近い音になっているわけです。 このように無気音は、いったん声を抑えて詰まったような状態から破裂するように声を噴出させて発音します。(息を噴出させるのではありません。声を噴出させるのです。感覚的には息を止めているようなイメージで発音します。しかし、それでも声が出るからには息は少し出ているのです。) たとえばb(a)は、いったん口を閉じることによって声を抑えて詰まったような状態にしてから瞬間的に声で破裂させるように口を開けて発音します。 また、d(a)は、いったん舌先で上の歯ぐきの裏側をふさぐようにすることによって声を抑えて詰まったような状態にしてから瞬間的に声で破裂させるように舌を離して発音します。 また、g(a)は、いったん舌の根元のほうで軟口蓋をふさぐようにすることによって声を抑えて詰まったような状態にしてから瞬間的に声で破裂させるように舌を離して発音します。 他の無気音も同様に詰まったような状態から瞬間的に声で破裂させるようにして発音します。 この説明がわかりにくくても、先ほどの促音をイメージして発音すればだいじょうぶでしょう。先ほどの促音の例(一般、発端、一貫)でイメージをつかんでおいてから練習しましょう、 では、下の例を練習してみましょう。(ピンインの部分をクリックして少し待てば発音が聞けます。) (ホッキョクグマ) (カンガルー) (ハト) なお、有気音のほうは詰まったような状態にはしません。もし有気音を超スローモーションで発音したとすると、最初に自然に息が出始めてから続いて声が出て、息を出しながら声を出すという感じで発音します。この感覚をつかむまでは、有気音のほうは思いっきり息を出しながら発音するようにするとよいでしょう。 (次回に続く) |
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今回は、ここで終わりにします。 (2009年07月23日) |
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